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ヤオヨロズ福原プロデューサーのアニメ業界インタビュー Netflixなどの外資系企業や中国の脅威について

ヤオヨロズ (39)


BusinessInsiderJapanの福原Pインタビューです。前後編に分かれています。長いので抜粋。




アニメの「製作委員会方式」は単なる“中抜き”ではない

——ネット上で根強い「製作委員会」中抜き論については、どのように見ていますか?

福原:(製作委員会については)意図的に中抜きしているわけではなく、アニメづくりに必要な組織だと私は考えています。製作委員会がこれまでのアニメ業界の発展を支えて来たことは間違いありません。

ただ、アニメビジネスは時代の移り変わりと共に変わります。これまでも、製作委員会の顔ぶれやビジネス構造を大きく変化させてきました。例えばここ10年でも、テレビ局、DVDパッケージメーカー、パチンコなどから外資系の配信事業者(ネットフリックス、アマゾン、Hulu)へと資金提供者は入れ替わりが進んでいます。

そんな中、「製作委員会方式以外にアニメを作る選択肢がない」というのは、やや自由度に欠けるのではないかと。それ以外の新しい資金調達モデルも出てきても良いのではないか、というのが私の考えなんです。


アニメ1話、本当は相場の2倍以上のコストがかかる?

(深夜アニメの制作費は1話約1500万円〜などと言われますが)私がよくプロデューサー仲間と話すのは、「仮定として全てのスタッフに常識的な休暇や給与を与えるとしたら、1話あたりの適正な制作費は本当は4000万円くらいではないか」ということです(※1)。そうなると本来は1タイトル(1クール=13話)5億円規模の製作委員会が組成されないといけませんが、それをリクープ(投資回収)できるタイトルは1クールあたり数本に満たないはずです。

——なるほど。であれば、今のように年間200本以上の新作アニメは、本来なくても良い、ということですか。

福原:ということになります。ただ、ライセンスビジネスをたくさん展開して手数料収入を得たい窓口会社、あるいは放送枠を売りたいテレビ局は、タイトル数が多い方が有り難い。そのために現在のように多くのアニメが放送されている状況が生まれてしまったのではないかと。これが過去最大の2兆9億円(アニメ産業レポート2017 サマリー(日本語版)より)の市場を生み出した原因と言えます。

福原:(そんな苦しい中で制作スタジオも権利収入を得るためには、)「製作委員会」に出資すれば良いではないか、と考える人も多いでしょう。しかし、そもそも制作スタジオは手元にそんなおカネがないのがほとんどです。

【独占】ネットフリックスはアニメーター貧困問題の救世主か? アニメ業界の“本当の課題” —— 「けもフレ」福原Pインタビュー
https://www.businessinsider.jp/post-164211



巨大なアニメ市場「中国」の脅威

アニメの危機として語られることが多いのが、中国を脅威とする見方です。先日あるメディアでも「日本のアニメーターの技術が外注により流出している」といった論調の記事が掲載されました。

福原:私も中国で現場を見てますが、生産能力はたしかに日本を超えています。しかし、技術についてはまだ分からないと思います。一方で、日本のアニメスタジオへの「発注」については勘所をつかんできていますね。

ジャストプロ(ヤオヨロズ親会社でアニメ企画、芸能事務所、声優事務所)でも中国からの依頼でいま新しい企画が進行中なのですが、期間・スタジオのランク・予算に関してなかなか良い線を狙って発注してきています。数年前までは、中国配信事業者から日本のスタジオにバブル的におカネが入ったり、逆にクオリティや納期で無茶を言うことがありました。もちろん文化的なギャップは随所で起きているのも事実ですが、その段階から明らかに学習が進んでいます。

中国の配信最大手はテンセントで、彼らは中国国産のアニメ制作に精力的に取り組んでいますし、中国のアニメの総放映時間では既に日本を上回っています。

ただ、(中国市場の特徴として)ほとんどが子ども向け作品なんです。ハイエンドな大人向けアニメ、例えば『マスターオブスキル』のような作品に力を入れ始めたのはここ数年のことです。

彼らも日本から学んでかなりハイエンドな作品も生まれていますが、それを日本のように量産するまでには至っていない感覚があります。そこは国民性も大きく影響するところですので。

我々のアンケート調査によると、中国でもほぼリアルタイムで日本のアニメが視聴されており、実は中国も日本も「好きなアニメの傾向」はあまり変わりません。ところが、大きく異なるのが年齢構成です。日本は20代及び30代がそのボリュームゾーンなのですが、中国は20代の次は10代が占めているので、自然と若者向けの作品が中心となるわけです。中国ではたくさんの企画が生まれやすいけれど、深い作品は求められていないのかもしれません。

そういった市場性の違いがあるので、技術流出で即、日本のアニメが危機にというのは考えにくい。私たちが「面白い!」と思う日本のアニメを、世界が少し遅れて面白がってくれる、というトレンドはあるので、私たちが無理に世界にあわせて作品を作る必要もないと思っています。

アニメは、実写と違って文化や人種の違いも意識されにくいものです。ですから、日本人が考える「世界」に寄せない方が、かえって多様性のある面白い作品が生まれるはずです。

日本が直面する巨大アニメ市場「中国」の脅威 ——「けもフレ」福原Pインタビュー
https://www.businessinsider.jp/post-164253