ヤオヨロズ福原プロデューサーのアニメ業界インタビュー Netflixなどの外資系企業や中国の脅威について
BusinessInsiderJapanの福原Pインタビューです。前後編に分かれています。長いので抜粋。
【New】【独占】「けもフレ」福原Pが語るアニメ業界の“本当の課題”——ネットフリックスは貧困問題の救世主か #けものフレンズ#福原Pdlvr.it/QLxCh3
— BusinessInsiderJapan(@BIJapan)Thu Mar 22 02:06:07 +0000 2018
アニメの「製作委員会方式」は単なる“中抜き”ではない
——ネット上で根強い「製作委員会」中抜き論については、どのように見ていますか?
福原:(製作委員会については)意図的に中抜きしているわけではなく、アニメづくりに必要な組織だと私は考えています。製作委員会がこれまでのアニメ業界の発展を支えて来たことは間違いありません。
ただ、アニメビジネスは時代の移り変わりと共に変わります。これまでも、製作委員会の顔ぶれやビジネス構造を大きく変化させてきました。例えばここ10年でも、テレビ局、DVDパッケージメーカー、パチンコなどから外資系の配信事業者(ネットフリックス、アマゾン、Hulu)へと資金提供者は入れ替わりが進んでいます。
そんな中、「製作委員会方式以外にアニメを作る選択肢がない」というのは、やや自由度に欠けるのではないかと。それ以外の新しい資金調達モデルも出てきても良いのではないか、というのが私の考えなんです。
アニメ1話、本当は相場の2倍以上のコストがかかる?
(深夜アニメの制作費は1話約1500万円〜などと言われますが)私がよくプロデューサー仲間と話すのは、「仮定として全てのスタッフに常識的な休暇や給与を与えるとしたら、1話あたりの適正な制作費は本当は4000万円くらいではないか」ということです(※1)。そうなると本来は1タイトル(1クール=13話)5億円規模の製作委員会が組成されないといけませんが、それをリクープ(投資回収)できるタイトルは1クールあたり数本に満たないはずです。
——なるほど。であれば、今のように年間200本以上の新作アニメは、本来なくても良い、ということですか。
福原:ということになります。ただ、ライセンスビジネスをたくさん展開して手数料収入を得たい窓口会社、あるいは放送枠を売りたいテレビ局は、タイトル数が多い方が有り難い。そのために現在のように多くのアニメが放送されている状況が生まれてしまったのではないかと。これが過去最大の2兆9億円(アニメ産業レポート2017 サマリー(日本語版)より)の市場を生み出した原因と言えます。
福原:(そんな苦しい中で制作スタジオも権利収入を得るためには、)「製作委員会」に出資すれば良いではないか、と考える人も多いでしょう。しかし、そもそも制作スタジオは手元にそんなおカネがないのがほとんどです。
【独占】ネットフリックスはアニメーター貧困問題の救世主か? アニメ業界の“本当の課題” —— 「けもフレ」福原Pインタビュー
https://www.businessinsider.jp/post-164211
【New】日本が直面する巨大アニメ市場「中国」の脅威 ——「けもフレ」福原Pインタビュー #福原P#中国#アニメ#けものフレンズdlvr.it/QLxChQ
— BusinessInsiderJapan(@BIJapan)Thu Mar 22 02:06:08 +0000 2018
巨大なアニメ市場「中国」の脅威
アニメの危機として語られることが多いのが、中国を脅威とする見方です。先日あるメディアでも「日本のアニメーターの技術が外注により流出している」といった論調の記事が掲載されました。
福原:私も中国で現場を見てますが、生産能力はたしかに日本を超えています。しかし、技術についてはまだ分からないと思います。一方で、日本のアニメスタジオへの「発注」については勘所をつかんできていますね。
ジャストプロ(ヤオヨロズ親会社でアニメ企画、芸能事務所、声優事務所)でも中国からの依頼でいま新しい企画が進行中なのですが、期間・スタジオのランク・予算に関してなかなか良い線を狙って発注してきています。数年前までは、中国配信事業者から日本のスタジオにバブル的におカネが入ったり、逆にクオリティや納期で無茶を言うことがありました。もちろん文化的なギャップは随所で起きているのも事実ですが、その段階から明らかに学習が進んでいます。
中国の配信最大手はテンセントで、彼らは中国国産のアニメ制作に精力的に取り組んでいますし、中国のアニメの総放映時間では既に日本を上回っています。
ただ、(中国市場の特徴として)ほとんどが子ども向け作品なんです。ハイエンドな大人向けアニメ、例えば『マスターオブスキル』のような作品に力を入れ始めたのはここ数年のことです。
彼らも日本から学んでかなりハイエンドな作品も生まれていますが、それを日本のように量産するまでには至っていない感覚があります。そこは国民性も大きく影響するところですので。
我々のアンケート調査によると、中国でもほぼリアルタイムで日本のアニメが視聴されており、実は中国も日本も「好きなアニメの傾向」はあまり変わりません。ところが、大きく異なるのが年齢構成です。日本は20代及び30代がそのボリュームゾーンなのですが、中国は20代の次は10代が占めているので、自然と若者向けの作品が中心となるわけです。中国ではたくさんの企画が生まれやすいけれど、深い作品は求められていないのかもしれません。
そういった市場性の違いがあるので、技術流出で即、日本のアニメが危機にというのは考えにくい。私たちが「面白い!」と思う日本のアニメを、世界が少し遅れて面白がってくれる、というトレンドはあるので、私たちが無理に世界にあわせて作品を作る必要もないと思っています。
アニメは、実写と違って文化や人種の違いも意識されにくいものです。ですから、日本人が考える「世界」に寄せない方が、かえって多様性のある面白い作品が生まれるはずです。
日本が直面する巨大アニメ市場「中国」の脅威 ——「けもフレ」福原Pインタビュー
https://www.businessinsider.jp/post-164253
お話し伺いました。本も拝読しましたが、実務と課題が幅広くカバーされています。その導入編という位置づけの記事にもなったかと思います。 / “【独占】「けもフレ」福原Pが語るアニメ業界の“本当の課題”——ネットフリックスは貧困問題の…” htn.to/p5NGWZz
— まつもとあつし(@a_matsumoto)Thu Mar 22 05:22:47 +0000 2018
コメント
酒瓶持ってないと一瞬誰かわからないな
頑張ってほしいなあ
とってもいい考えだと思う
冷静にかつ核心に迫る指摘
福Pもこの一年でクラスチェンジしたっぽいねw
ヤオヨロズと契約してるとはいえ
irodori=ヤオヨロズになっちゃうから
ヤオヨロズチャンネルもあった方が良くない?
※5
ラブ米とか、irodoriが制作に入っていない制作チームもヤオヨロズにはいるので
完全にirodori=ヤオヨロズというわけではない
福Pの言うパートナーシップを結ぶにあたって
アニメスタジオに出資する映像配信サービス側が配信権だけしかないのは配信側にメリットが無いと主張してた人がいたけど
これ読む限りだと外資の映像配信サービスでは配信権だけ要求するのが普通みたいだな
日本のアニメ業界はクリエーター以外はウジ虫以下のゴミ共のせいで腐ってるし一回ぶっ壊してくれた方がいいかも
視聴者が求めるものを想像するのではなくて、あくまで自分が面白いと思うものを作る、という姿勢はたつき監督と一致しているね。
F先生も同じことを言っていた気がする。
映像配信がメインなら配信権だけもらって回転数あげる方が合理的なんだろうな
仕事中だから内容はあとでじっくり読むことにするけど、まず写真で驚いてる。
この黒ネクタイの人が福原P…なんだよね?
BSフジpresentsアニメギルド2018年放送作品発表会 AnimeJapan 2018
明日ケムリクサ情報出るから記事にしてくれ
米11
いやいや、そんな馬鹿なwと思ったらマジだった
こっちの方が似合うじゃねーか
この記事、ガンガンコピペしちゃってるけど著作権的に大丈夫?
いつの間にか黒髪になってて砂
如何にもうさんくさい業界人っぽかった前の髪型よりこっちのがずっとええね
いいっすなぁ
こうゆう人間がもっと増えればいいのに
…福原Pこの真面目モードの方が格好いいじゃん
ツイッターの画像もこっちにした方が渋くていいよね…?
わかるわ
絶対こっちの写真のがいいだろうw
髪黒くするだけで、NTRもののチャラ男が普通のPに見えてくる不思議
そもそも何であのドヤ顔ダブルボトルをTwitter画像にしてるのかとw
パッと見、誰かわからんかった……福原P変わったね
なにこの本!気になる!福Pこんな本出すんか…買うわ!
福原Pの、常に調査を忘れず、状況の改善のために動く姿勢は純粋に尊敬する。
それはそうと、髪が黒いと誰だか分からないな…w
福P右かと一瞬思ったら左だったか
いつもラフな格好ってイメージだからわからんかった
今回しっかりしてるね
色んな業界が談合みたいになってるから崩すには海外の脅威くらいしかないんだよね
ぶっちゃけ期待してるよ
中国への人材流出も脅威だけど、当局の検閲が始まるとあっちの業界が壊滅してバブルが弾ける危険性も脅威なんだよな
旗色悪くなったらトンズラドロンなんて当たり前のとこだし、金回りはよくともパートナーに選ぶのはとてもリスキー
黒髪の方がいいけどそれでスーツ着てるとなんかインテリ893って感じやな
次の竜が如くに出演して
※26
それでも日本の業界よりマシという事実
>>私たちが無理に世界にあわせて作品を作る必要もないと思っています。
>>アニメは、実写と違って文化や人種の違いも意識されにくいものです。
>>日本人が考える「世界」に寄せない方が、かえって多様性のある面白い作品が生まれるはずです。
同意します。香港人としてこれを見たら泣きたい気分だ。
昔中国が香港の映画スタッフを爆買の初め、
香港の映画スタッフが無理に中国人の趣味にあわせて作品を作るまくる、
そして香港人は香港映画離れ、
中国が香港の技術を手に入れたあと、香港人はもう用済み、仕事の機会がだんだん減ってる、
香港人の客は戻れない、中国人の客も飽きた、
そして香港映画は死んだ・・・
正直、最近の日本アニメ業界見ると、「香港映画の終末の同じパターンだ!」と思います・・・
私は日本人が面白いと思うアニメが見たい、
日本人が「外国人が面白いと思う」アニメは別に求めてないです、
ガバガバな日本語でごめんなさい。
※9
あのフィギュアの王手、海洋堂もそういうスタンスで大成功したそうな
※29
香港のフレンズ?
貴重な海外視点のご意見ありがとう。
日本語とても上手ですよ。
子供の頃の香港映画、面白くて好きだったな・・・
日本が高いレベルを求めすぎてる感は確かにある
※29貴重な意見ありがとう!
こんな真面目な格好して、
新たな資金調達モデルやアニメスタジオの著作権確保について真面目に語るなんて、
こんなの俺たちの福Pじゃねえ!
さては偽物だなオメー
チャラくない福P違和感バリバリ
脅威って言うけどアニメやゲームなんて日々消費されるものだし、増えたら増えたで良いでしょ。
中国産の質が上がるのに問題があるとは思わん。
でもネトフリのアニメ、海外ドラマみたいなのやってるね
福Pが髪を黒染めし
たつき監督が髪を明るめにし
このあべこべ感良いな
※36
消費するのに必要な時間ってゼロじゃないから、消費されるコンテンツの数が多いとその分消費者の余暇っていうシェアの奪い合いになり、それに疲れた消費者は中々戻ってきてくれないので、多ければ良いって物でもない。
作品のクオリティが上がっていくのは良いことだけど、クオリティが上がると当然その分消費するのに必要な時間も増える。
※29
良くわかります
香港クンフー映画で、妙に中共寄りな表現が有ったりしました
敵ながら天晴れ!な役所とかで「嘘臭い」感じが何とも...
最近はハリウッドの大作が、要所に中共上げ演出してて同じ道を
辿ってるので、素直に感動出来なくなってます
日本のアニメも「主人公国籍が売り込み相手国」な設定だったり、
舞台が海外ならともかく、日本舞台で余りに不自然な作品も
作品の質より「顧客への擦り寄り」を優先した作品はブザマです
本音と独自性全開で創られた作品こそが観たい物なのですよね
※直球の下ネタは控えるようお願いします。